無料ブログはココログ

« ボクサー、モハメド・アリの偉大さを誰も語ろうとしない? | トップページ | うまい考 »

2016年6月15日 (水)

質問とお願いの混同

先日、年若い営業担当者が訪ねてきて、売り込みを受けたときのことです。最初に彼は「名刺を頂戴してもよろしいですか?」ときいてきたので、「いいですよ」と答えてあげました。そして、話をきこうとしたら、彼は再び「名刺を頂戴してもよろしいですか?」ときいてきました。それでまた、同じように「いいですよ」とこたえてあげました。その後、彼は怒ったように「名刺、いただけないんですか?」と言ってきました。当初は、彼は何を言っているのか、私には分かりませんでした。多分、これを読まれている方は、何か変と思ったのではないでしょうか。「名刺を頂戴してもよろしいですか?」を何度もきいてくるとか、それを、わざわざ、こんな風にいちいち書いているのも変に思うでしょう。これを書いている私も、変だと思います。しかし、その時、彼は怒っているらしかったのです。そして、どうやら、彼は私の名刺が欲しかったらしいことが、ようやく分かりました。(私は鈍いのか。耄碌が始まっているのかもしれません)「名刺が欲しいのですか?」と私の方から彼にきくと、彼は、そうだと言いました。そこで、「名刺を下さい」と私にお願いしたか、と彼にきくと、彼は「名刺を頂戴してもよろしいですか?」と言ったじゃないですか、と詰問するように答えてくれました。それでようやく、鈍い私にも事態を理解できました。
 それで、一応の説明を、次のようにしてみました。「名刺を頂戴してもよろしいですか?」というのは、単なる質問でしかありません。私は単にその質問に回答しただけのことです。質問は名刺を渡す用意があるかどうかをきいているだけです。それを確認したうえで、名刺が欲しいのであれば、「名刺を下さい」と頭を下げて頼まなければなりません。そういう意思表示をしなければ、とくにビジネスの現場では何も動かないはずです。と。そして、そもそも、質問と頼むこととは違います。その大きな違いは責任の主体がどちらにあるかということなのです。頼むとか、お願いをするということは、自分の責任のもとに相手にお願いすることです。リスクは自分で引き受ける覚悟があるから頼むので、頼まれた方は、そのように主体的に責任をもってくれるから、頼みごとに応じるのです。これに対して、質問は、答えるかどうかは答える方の責任となる。質問する方は、質問に対してリスクを負いません。そこで、質問と頼むという両者を混ぜっ返して、本来ならば負うべき責任から逃れて、相手の責任のもとで成果物だけを得ようとすることに対して、真実、応じることができますか。まして、そのような相手を信頼することができますか。と彼に聞いてみました。結局、彼は、面倒なオッサンに遭ってしまったとでもいう顔をして、そそくさと立ち去ってしまいました。
 私は、理不尽だったのでしょうか。たしかに意地悪だったのはあります。

« ボクサー、モハメド・アリの偉大さを誰も語ろうとしない? | トップページ | うまい考 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/564097/63783939

この記事へのトラックバック一覧です: 質問とお願いの混同:

« ボクサー、モハメド・アリの偉大さを誰も語ろうとしない? | トップページ | うまい考 »

最近聴いたCD