株主総会の実務をIRやコーポレートガバナンスの面から考える(12)~2 株主総会で作成する文書
(1)株主総会関連文書
株主総会の手続全般については述べました。そこでは触れませんでしたが、株主総会では、株主の議決権行使のために次のような文書が必要であるとして会社法及び会社法施行規則、会社計算規則で定められています。
招集通知(広義の招集通知)
招集通知(狭義の招集通知)
参考書類
事業報告
計算書類
注記表
連結計算書類
連結注記表
監査報告書(独立会計監査人、監査役会(監査委員会))
議決権行使書(委任状)
付属明細書(←株主には送付せず、閲覧希望者があれば閲覧に供する)
また、上記以外に法令では定められていませんが、慣行により作成されて株主に送付される文書として次のものがあります。これらの文書は株主総会で剰余金の処分議案が承認されたことにより配当金領収書(配当通知)を株主に送付する際に同封されるものです。なお、上記の招集通知は株主総会で議決権を行使できる株主(単元株株主等)に送付されますが、こちらは議決権があろうとなかろうと全株主に送付されます。
決議通知
株主通信(事業報告、ビジネスレポート等会社によって名称が異なる)
近年、指名委員会等設置会社や会社法改正により取締役会決議により剰余金処分を決定できるようになった会社は、株主総会で剰余金処分議案の承認を受ける必要がなくなったため、配当金領収書を株主総会での承認を待って送付する必要がなくなりました。この場合、配当金領収書を招集通知に同封して送ることにして、株主総会終了後に決議通知と株主通信を送付することをやめてしまうのです。これにより、経費と労力の削減になります。ただし、総会前に送付する招集通知については、以前の株主通信の機能を合わせて持たせるようにカラー化したり写真や図を豊富にいれて、内容を充実させたものにしています。また、決議通知は廃止して、その内容は会社のホームページに掲載して代用させているケースもあります。
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