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2016年10月19日 (水)

ジャズを聴く(39)~ウィントン・ケリー「ウィスパー・ノット」

WHISPER NOT        1958年1月31日録音
Jazkelly_wisper  Whisper Not
 Action
 Dark Eyes
 Strong Man
 Ill Wind
 Don't Explain
 You Can't Get Away
 Dark Eyes
 
 Wynton Kelly (p)
 Kenny Burrell (g)
 Paul Chambers (b)
 Philly Joe Jones (ds) #1,2,3,8
 
 ライナー・ノート等の解説ではドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズが遅刻したために、急遽ドラムがないまま録音を始めてしまったという。禍転じて福というわけではないのだろうけれど、結果としてドラムレスのピアノ、ギター、ベースという3人の変則的な編成が、ケリーのリズミックなピアノの良さと、艶やかでブルージーなケニー・バレルのギターの味わいが、より前面に出すことになった。
 4曲目の「Strong Man」から7曲目の「You Can't Get Away」の4曲の演奏がドラムレス。「Strong Man」では、ギターとベースが何とも言えない温もりと力強いリズムに刻みに絡むようなピアノがリズミックで、ミディアム・テンポの曲なのに、推進力の強い演奏になっていて、メジャー・コードの使い方などによって、バップでは珍しい聴く者を力づける応援ソングのような雰囲気。ピアノ・ソロでは力強くリズムを牽引しているのに対して、続くケニー・バレルのギターは後ろ髪を引かれるような後ノリで、この全体のバランスが絶妙。二人のあうんの呼吸でやっているのだろうけれど。ケニー・バレルのリズム・ギターで終わるところが何とも洒落ている。「Ill Wind」は、通常スロー・テンポで演じられる暗い曲なのが、ここでは颯爽としたリズミックなアレンジで展開し、何よりもケリーのピアノが肯定力に充ち満ちて何とも力強い。ケニー・バレルの息の長いソロに対して、バックのケリーがリズミックなフレーズで絡んでいく。「Don't Explain」では、ケリーがスローなテーマをじっくりとオカズを入れずに少ないと音で淡々と弾く(それが保つのが凄い)のに対して、ケニー・バレルが正攻法で対向する。二人が、少ない音数の音楽性だけでバトルするように聴かせあいするところが、この曲の聴きどころ。これだけ遅いテンポで、隙間だらけのような音の数であるのに、少しも弛緩したところのなく、しかも推進力のあるところが凄い。

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