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2016年12月 5日 (月)

ジャズを聴く(41)~ハンク・ジョーンズ「ハンク・ジョーンズ・カルテット-クインテット」

 ハンク・ジョーンズは、3人の有名なジョーンズ兄弟(サド、エルヴィンと彼)の年長者で、第二次世界大戦後に登場したデトロイト出身の偉大なピアニストたち(トミー・フラナガン、バリー・ハリス、ローランド・ハナ)の先駆者でもあった。実は、彼らは、そのずっと以前に街を出ていたのだけれど。ジョーンズはティーン・エイジャーの間はローカル・バンドで演奏していたが、1944年にトランペット奏者のホット・リップ・ページと演奏するためにニューヨークに出てきた。彼は、ジョン・カービー、ハワード・マギー、コールマン・ホーキンス、アンディ・カークそしてビリー・エクスタインとの演奏を行なった。ジョーンズの演奏スタイルは、テディ・ウィルソンやアート・テイタムの影響を受けたもので、ビバップの影響もまた受けていた。そして、彼の演奏の間口は広くて、多くのジャンルに適合できる柔軟さがあった。彼は、1947年に始まるジャズ・アット・フィルハーモニック・ツァーに参加し、1948年から53年にはエラ・フィッツジェラルドの伴奏を勤め、チャーリー・パーカーの録音にも参加している。1950年代には、ジョーンズはアーティー・ショー、ベニー・グッドマン、レスター・ヤング、キャノンボール・アダレイその他多くのミュージシャンと演奏している。彼は、1959年から1976年の間、CBSスタジオのスタッフ・ピアニストだったが、ジャズの世界でも活発に活動を続けていた。1970年代後半には、ブロードウェイ・ミュージカル「エイント・ミスビヘイブン」のピアニストをつとめ、グレート・ジャズ・トリオと称した一時的なトリオで録音を行なった。このトリオは、ベースのロン・カーター、バスター・ウィリアムス、エディ・ゴメスやドラムスのトニー・ウィリアムス、アル・フォスター、ジミー・コブが、その時々に参加するというものだった。ハンク・ジョーンズは様々なレコード会社でリーダーとしてアルバムを録音している。
Hank Jones QUARTET-QUINTET        1955年11月1日録音
Jazhank_quartet  Almost Like Being In Love
 An Evening At Papa Jone's 
 An' Then Some
 Summer's Gone
 Don't Blame Me
 Hank Jones (p)
 Donald Byrd (tp)
 Matty Dice (tp)
 Eddie Jones (b)
 Kenny Clarke (ds)
 ハンク・ジョーンズがリーダーとなったカルテットとクインテットといった2種類のフォーマットの演奏が収められている。ハンク・ジョーンズのピアノは地味で、リーダー作にもかかわらず、特にピアノのプレイをクローズアップするような見せ場は設けず、ひたすらメンバー全員が心地よくスイング出来ればそれでいいじゃないか、といった声が聞こえてきそうな、淡々と、そしてしっかりと“演奏の五分の一”あるいは、“四分の一”として溶け込んでいる。だから、派手なプレイや、ハッタリは一切していない。端正で、上品。しかし、控えめなプレイの中にも、耳をそばだてずにはいられない「力」がある。裏方に徹しながらも存在感を放っている。まあ、ハンク・ジョーンズの名盤として、ここで紹介しているから、どうしてもジョーンズのピアノを注目してしまうのだが、そのような先入観を持たなければ、このアルバムはトランペットを聴くべきものと思ったほうがよい。
 最初の「Almost Like Being In Love」ではイントロなしにトランペットで軽快なテーマが吹かれて、そのままトランペットのソロに入るが、ドナルド・バードの歌心に溢れたソロは聴き応えがある。ジョーンズのピアノ・ソロが続くのだけど、控えめで端正なピアノは、とても趣味がいいもので、むしろ、トランペットをうまく引き立てているといったものだ。後半、トランペットとドラムが絡んで白熱していくけれど、趣味のよさを失うことなく、ドナルド・バードの歌心あるプレイを生かしている。次の「An Evening At Papa Jone's」は、スローで気だるいブルージーなナンバー。ベースの短いイントロに続いて、2本のトランペットがユニゾンでアーシーなテーマを吹奏、すぐにハンク・ジーンズのピアノのソロに入る。曲が粘着質なブルースなだけに、ハンクの淡泊なスタイルが爽やかに感じられ、ケニー・クラークの控えめで上品なドラムも、そしてエディ・ジョーンズの堅実で一音一音地面に楔を打つような安定したベースも、ハンク・ジョーンズらの繰り出す、端正で穏やかな世界作りに貢献している。トランペットにソロが引き継がれ、ベース、さらにトランペットと続くが、ここでの2人のトランペット奏者の区別がつかないほど、メンバー全員がでしゃばらずに落ち着いたプレイをしているのは、ハンク・ジョーンズ効果とでも言うべきなのかもしれず。次の「An' Then Some」もブルース・ナンバー。ミディアム・テンポで進み、トランペットの歌心あるソロが味わい深い。

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