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2016年12月 6日 (火)

ジャズを聴く(42)~ハンク・ジョーンズ「ザ・グレート・ジャズ・トリオ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」

THE GREAT JAZZ TRIO AT THE VILLAGE VANGUARD    1977年2月14日、15日録音
Jazhank_great  Moose The Mooche
 Naima
 Favors
 12+12
 Confirmation
 Wind Flower
 Nardis 
 Lawra
 Hank Jones (p)
 Ron Carter (b)
 Tony Williams (ds)
 自分の息子より年下なんじゃないかと思われる元気いっぱいのドラマーとベーシストにあおられて、80歳になろうとしていたハンク・ジョーンズは、元気にドライブするピアノを弾いている。「サ・トリオ」でのプレイや、様々なプレイヤーのサイド・メンとしての録音から、元来が、端整で、控えめながらも、上質な味わいと芳香を放つピアノだということには異論はないとおもうが。そういうイメージをよい意味で裏切るエネルギッシュなプレイを聴くことができる。
 例えば、最初の「Moose The Mooche」はチャーリー・パーカーのオリジナルで、ビバップの定番中の定番だが、ピアノの溌剌としていること。トニー・ウイリアムスのシンプルなドラミングに導かれたテーマ部分から早いテンポで繰り広げられるモダンジャズの典型的なピアノトリオ演奏。「I Got Rhythm」のコード進行に基づく曲メロのフェイクや再構築から生み出される歌心満点のアドリブフレーズを優雅なタッチで披露するという、まさに匠の技。後半は、トニー・ウィリアムスのドラムソロは元気いっぱい。次の「Naima」はコルトレーンの有名なナンバーを、原曲のまったりとしたイメージを覆すような静謐なバラードから中盤の盛り上がりというドラマチックな曲調の変化がある。前半では、ピアノの音のひとつひとつが立っているのを際立たせるような、音数を絞って、ロン・カーターのベースが「ンボ、ンボ、ンボ、ンボ…」のルート弾きがリズミックな効果を増長し、中盤、盛り上げていく。「Favors」は、軽快でさわやかなメロディのテーマのあと、軽やかにスイングしていくように歌心溢れるアドリブを紡いでいくジョーンズ。続く、ベース・ソロが無機的なのは残念だが、ジョーンズのピアノはここでは、若い二人を音楽性で引っ張っている。「Nardis」はビル・エヴァンスの代表的なナンバーを、リズムが推進するような力強い曲になってしまう。とはいえ、メロディの美しさはジョーンズのピアノが一本筋を通すように、演奏していて、凛とした演奏になっている。このアルバム1枚で、ハンク・ジョーンズというピアニストの全貌が分かるわけではないし、慎み深い彼の本質が半減してしまっていることは否めないが、良い意味で彼のアグレッシヴな一面が引き出されていると思う。

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