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2017年3月24日 (金)

ジャズを聴く(44)~バリー・ハリス「プレミナード」

 バリー・ハリスは、20世紀後半のハード・バップの主要なピアニストの一人であり、バド・パウエルにとても近しい響きを、長年にわたって持ち続けた。また、彼はセロニアス・モンクの影響をうかがわせていたが、彼自身のスタイルはバップの領域を出るものではなかった。彼は1950年代のデトロイト・ジャズ・シーンの重要なメンバーの一人で、そのころからジャズの教育者でもあった。ハリスは1958年にリーダーとして最初のレコーディングを行い、1960年にニューヨークに出た。そこでキャノンボール・アダレイのクインテットに短期間在籍した。彼はまた、デクスター・ゴードン、イリノイ・ジャケ、ユセフ・ラティーフ、ハンク・モブレーとレコーディングを行い、コールマン・ホーキンスとは晩年に至るまで10年間たびたび共演した。1970年代には、ソニー・スティットの2つの素晴らしい録音(「チューン・アップ」と「コンステレイション」)に参加し、その他様々なレコーディングを行なった。ハリスは70年代中頃から、彼自身のトリオで演奏することが殆どになり、リーダーとてレコーディングを行なった。

Preminado  1960年12月21日、1961年1月19日録音
Jazharris_preminado  My Heart Stood Still
 Preminado
 I Should Care
 There's No One But You
 One Down
 It's The Talk Of The Town
 Play, Carol, Play
 What Is This Thing Called Love
 Joe Benjamin (b)
 Elvin Jones (ds)
 Barry Harris (p)
 スタンダードとオリジナルを組み合わせて吹きこんだピアノ・トリオ・アルバム。歯切れがいいタッチと明解なフレージングに絶好調ぶりがうかがわれる。バド・パウエルの影響を受けたパウエル派の代表的な人で、終生そのスタイルを貫いたのも珍しい。このアルバムでもパウエルが取り上げた曲も演奏している。例えば、「I Should Care」では、パウエルが用いたコードをわざと倣うようにして、しかも、その上で独自のフレーズを弾いていて、単なるパウエルのフォロワーではなくて、オリジナリティをもったピアニストであることを示している。そこにハリス独特の歌心が認められる。最後の「What Is This Thing Called Love(恋とは何でしょうか)」では、速いテンポでコロコロと転がるような指使いの歯切れのよいノリは、いかにもバド・パウエルの影響を受けた人らしいが、バド・パウエルのように、その快速フレーズを最後まで力ずくで押し通すことはしていない。パウエルのようなパワフルなスリルは、ここにはない。その代わりに、パウエルにはないとろけるようなムードがある。それは、フレーズの端々に散りばめられた抜けが独特の歌心となっているからだ。歌心などというと、軟弱にメロディを歌わせるために部分的に演奏を崩すなどと誤解されては困る。「It's The Talk Of The Town」を聴いてもらいたい、失恋を歌った古いスタンダードナンバーだが、しっかりしたタッチでカッチリと弾かれるのだが、その朴訥として調子は、むしろしんみりとした味わいが深くなる。

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