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2018年2月 7日 (水)

ジャコメッティ展(7)~6.モデルを前にした制作

Giacomettidiego2  「ディエゴ」という彼の弟をモデルにしたスケッチで、弟ということで長時間のモデルを強いることができたのでしょうか。それにしても、顔の細部や表情には手をつけられず、もっぱら頭の形状に関する線が引かれている。線を引くことによって、手に形状を覚えさせているかのようです。
 それが彫刻に仕上げられると「ディエゴの肖像」ということになると思います。彼の彫刻では珍しく、顔に目鼻が、それとわかるようにあって、ディエゴをモデルに制作したことが分かるものとなっています。このような個人であることがわかるような彫刻作品だから分かることなのでしょうが(他の彼の彫刻作品では、抽象度が高いので注意することがなく見てしまうとことになるので)、この顔はデスマスクのように見えてしまうのです。生きていないのです。生き生きとした生命感であるとか、人であれば誰でももっている表情といったことが全くない。また、ダイナミクス、つまり、動物であれば必ずある動きが感じられない。ここにあるのは、外形の形態のみということなのです。モデルが弟ということなのですが、ここには、ジャコメッティの弟への親しみとか何らかの感情は微塵もなく、敢えて言えば、冷徹さだけが際立ってくるのです。彼は、そうしなければ、自由な想像ということができなかったかもしれませんが、作品への感情移入とか共感というのは、この人の作品の場合には、極めて難しいということを、これらの作品を見ると、分かります。そのことが、見る者にとっては厳しさというイメージを持ちやすくなるということかもしれません。
Giacomettidiego1

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