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2018年2月 4日 (日)

ジャコメッティ展(4)~3.女性立像

Giacomettiwoman  ここからは、カタログのようなジャコメッティのブランドのステロ・タイプのパターンが、並ぶことになります。このような見方は美術展や作家に対して失礼なのかもしれませんが、これからは、個々の作品をそれぞれに好き嫌いでみるというよりも、ジャコメッティのステロ・タイプのパターンである細長い人体彫刻を見て、ジャコメッティというブランドであると認め、それで安心してもったいぶって眺めることができます。まるで、現代のファッション・ブランドとそっくりです。ジャコメッティが、そういうことを意図的に行ったということではないかもしれませんが、結果として、そういう要素があったからこそ、広い指示を集めて、こんな国立の権威ある施設で大々的な回顧展を開いてもらうことができたと考えられると思います。もちろん、それだけではないでしょうが。ここに並んでいる作品をみていると、個々の作品に、他の作品ではない、この作品という個性が認めにくいのです。私の作品理解が浅いせいかもしれませんが、ジャコメッティの彫刻ということは分かります。そこで、その中から、ひとつの作品をピックアップして、その作品だけについて語ることは難しい。まず、その作品であるということが、分からないというのが正直なところです。しかし、並んでいる作品は、くらべれば違います。もとより、全く同じであれば、大量生産の工業製品です。作品ごとに、他の作品との間に差異を設けて、それぞれの作品の個別性を保障している。しかし、差異がありすぎるとジャコメッティの彫刻のイメージから外れてしまう。その差異のつくり加減というのが微妙で、言葉でうまく説明できない微妙なものであるけれど、見ればすぐそれと分かるものです。ここに、ジャコメッティという作家の小手先の器用さ、センスの良さを窺うことができます。私には、パターンを定着させた後のジャコメッティは、この小手先で作品を量産できたのではないかと思えるほどです。それは、家内制手工業の職人のようなのです。工芸品なんかに近いものです。

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