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2018年2月 6日 (火)

ジャコメッティ展(6)~5.書物のための下絵

Giacomettibook1  書物のための下絵として制作されたデッサンのうちの一部で、鉛筆で描かれたものだそうです。ジャコメッティはデッサンに時間をかけるといいます。モデルをスケッチする場合には、異常に長い時間がかかってしまうので、モデルを務める人が限定されてしまったということです。ここで展示されているのは、必ずしもモデルを描いたものとは限りませんが、デッサンをするからには、やり方は、そんなに違うことはないでしょう。時間をかけて描いているのではないか。しかし、見ていると時間をかけている割には手数が少ない。線の数が少なくて、あっさりとした印象です。(このデッサンはリトグラフ用の鉛筆という線を消し難い特殊な鉛筆とのことで、描いては消しを繰り返したものではないということです)ふつうデッサンに時間がかかるというのは、たくさんの線を引いて、そのことに時間がかかるのでしょうが、このジャコメッティのデッサンを見ると、そうではない。それでは何に時間をかけているのでしょうか。私の想像で、実際とは違うかもしれませんが、ジャコメッティは線を引くこの前段階に時間をかけているのではないか、と思うのです。つまり、対象を見るということと、それをどのように描くか、画面上の画像をイメージするということ、画面上のどこにどんな線を引くのかということを考えるといったことに、時間をかけていたのではないかと、ということです。それが、ジャコメッティという人にとって「見たままを描く」ということだったのではないか。つまり、彼にとって見るということは、イメージすることも含めていた、ということで、むしろ、イメージすることの比重が重かった。そして、実際に線を引く、手を動かすという作業は、手早く作業した。そんなことを、彼のデッサンを見ていると、想像してしまうのです。
Giacomettibook2  初期のデッサンを見ると、描く技術は、出来上がっていたのではないかと思います。したがって、ジャコメッティの苦心というのは、どのようにイメージするのかの一点にかかっていた。それは、彫刻などよりも、デッサンに直接表われているように見えます。

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