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2019年1月11日 (金)

ルーベンス展─バロックの誕生(8)~Ⅴ.神話の力2─ヴィーナスと女性ヌード

Rubence2018venus  男性ヌードの理想像がヘラクレスなら女性ヌードはヴィーナスというわけですか。「バラの棘に傷つくヴィーナス」という作品。ヴィーナス云々を言う前に、この豊満で肉付きのよい、というよりも肉がつきすぎて垂れて見えるほどの脂肪の塊のような肉体、これこそが私が思い描いていたルーベンスの女体です。とくに、でっぷりとして垂れ下がったような尻が、ピンク色の肌が光っているように見える。理想とか健康的を通り越して、過剰さが、行き過ぎに見えて、爛れた姿は頽廃的とはいえませんが、そこの手前に紙一重で留まっている。ヘラクレスが人間の姿をしていながら人間を超えた巨大な印象を与えるのと、違ったいみで、このヴィーナスも巨大な印象を与える。しかし、日本人の私から見たら、ゲップが出そうな。ルーベンスが参照したとされるジャンボローニャの彫刻「ヴィーナスとキューピッド」のヴィーナスのポーズは共通するところはありますが、彫刻のヴィーナスはルーベンスの絵画に比べると華奢で少女のように見えてしまい、とても女神には見えなくなってしまいます。
 おそらく、ルーベンスの作品の中では小品の部類に入るサイズで、ヴィーナスは描けていますが、しかし筆致は荒いし(それが却ってヴィーナスの肉体の筋肉のごつごつしたような肉感的な生々しさの表現を実現させていると思います。しかも、上半身をひねる姿勢から生まれた肉の襞やくぼみがやけに強調されていて、例えば、太い両腕の間に挟まれてしぼりだされるような乳房なんぞは、まるで乳牛を髣髴とさせるほどです。)、足許に寄り添うプットーたちは仕上げられていないので、早い筆遣いでさっと描かれた油彩スケッチのような作品なのではないかと思います。
Rubence2018venus2

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