無料ブログはココログ

« 映画「駅馬車」の感想 | トップページ | ルーベンス展─バロックの誕生(2)~Ⅰ.ルーベンスの世界 »

2019年1月 3日 (木)

ルーベンス展─バロックの誕生(1)

2018年10月に国立西洋美術館で見てきた「ルーベンス展─バロックの誕生」の感想をまとめました。

Rubence2018pos1 ペーテル・ルーベンスという画家、バロックの巨匠と言われている人ですが、捉えどころのないというのでしょうか、とにかく作品の数は多いし、その代表的なものは巨大な作品で運搬するのは大変だろうから、日本で作品を集めて展示するのは物理的に難しい(そうでなくても、作品自体を日本に持ってくるのは大変だろう)だろうと。5年位前に、文化村のザ・ミュージアムという天井の低い、比較的狭いところでルーベンス展をやっていたのを見ましたが、その時は、肖像画や小品を中心にして、あとは工房の制作したもので、本人の大作というのは、あまりなかったと覚えています。この時展示されていた作品のいくつかは、今回、再会できものもありましたが、それでも、肖像画のすばらしさに、その時であったのを覚えています。しかし、この人の本領は大作ではないかと思ったときに、物足りなさを覚えたものでした。それが、今回は、工房制作らしきものや比較のために他の画家の作品もありますが、ほとんど本人の作で、それをこれだけの点数(40点あるということです)、しかも、西洋美術館の地下の大きな天井の高い空間に、宗教画の大作が並べられていたのは壮観以外のなにものでありませんでした。まだ、会期がはじまって10日目で、金曜日の夕方で、比較的混まないだろうと思っていましたが。鑑賞に支障のあるほどではありませんが、けっこう鑑賞者は多くて、作品によっては前に人だかりができているほどでした。これから会期が進むに連れて、かなり混雑するのではないか、しかし、それだけの内容でありました。

Rubence2018pos2 さて、ルーベンスという画家については、美術史の中でもひときわ大きく輝く巨星のような人で、いまさら紹介する必要はないと思いますが、しかし、この人の全貌を明らかにするのは不可能に近いので、どうしてもある視点にしたがって、作品を見せるということになると思います。その点で主催者のあいさつを引用します。

“17世紀バロックを代表する画家、ペーテル・パウル・ルーベンス(1577~1640)。彼は現在のベルギーの町アントウェルペンで修業し、大工房を構え活動しました。しかし、画家として独り立ちした直後の1600年から08年まで、おもにイタリアで過ごしたことは、わが国ではあまり知られていません。ルーベンスはヴェネツィアやマントヴァ、そしてとりわけローマでさまざまな表現を吸収して画風を確立し、帰郷後はそれを発展させたのです。洗練された教養人だった彼にとって、イタリアは芸術における理想の地であると同時に、古代という理想の世界に近づきうる地でした。帰郷して20年以上経った時、ルーベンスは手紙にこう記しています。

「イタリアに行く望みを叶えることを諦めたわけではありません。それどころか、この気持ちは刻々高まるのです。断言いたしますが、もし運命がこの望みを許さないのであれば、私は満足して生きることも、満ち足りて死ぬこともないでしょう。」

本展は、ルーベンスをいわばイタリアの画家として紹介する試みです。彼の作品は、この地の芸術作品とともに展示されます。古代やルネサンス、そして次の世代の作品とルーベンスの作品を比較することによって、彼がイタリアから学んだこと、そしてとりわけ、彼が与えたものはなんであったのかを解明します。ルーベンスとイタリア・バロック美術という、西洋美術のふたつのハイライトに対する新たな眼差しを、日本の観衆に与える最良の機会となるでしょう。”

« 映画「駅馬車」の感想 | トップページ | ルーベンス展─バロックの誕生(2)~Ⅰ.ルーベンスの世界 »

美術展」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ルーベンス展─バロックの誕生(1):

« 映画「駅馬車」の感想 | トップページ | ルーベンス展─バロックの誕生(2)~Ⅰ.ルーベンスの世界 »