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2019年4月25日 (木)

決算説明会見学記~名物経営者も思考の硬直が?

 懇意にしてもらっているアナリストのご厚意で、今回も、N社の決算説明会を見学してきました。
 今回の説明会は、少し様子が変わって。会場正面のスクリーンの下に経営陣がひな壇のように並んでいました。説明会のやり方も、N会長のワンマンショーから、まず新社長たちに喋らせて、Nさんはその追加説明にあたるという構成になっていました。といっても、大半の時間はNさんがしゃべっているので、実質的には、あまり変わらないという感じでしょうか。
 説明の内容のほうは、中国市場の状況変化を理由とした業績予想の下方修正や、M&Aの発表などで話題に事欠かないので、出席者も座席が足りなくなるほどの盛況でしたが、その中で、現在の景況は悪いと断言し、既存製品の売上が減速し、新製品が伸びたのでカバーできた、ということで。これを機に、一気に構造改革をするという、いつものパターンですが、従来の製品と新製品とを入れ替えてしまって、生産体制なども再編成すると。従来の構造改革では手をつけなかった子会社の事業再編も進める(例えば、子会社同士で重複している事業をまとめて、それぞれの子会社を専業化してしまうなど)という説明でした。とくに車載関係は、中国ではガソリン車は減速したが、EVやPHVは倍増していて、その分野の成長余地は大きく、関係の競合会社の規模は小さいので、ここでシェアをとって市場の成長に乗って、規模を拡大させるという。その説明の傍らで、日本の自動車関係のメーカーは自動車のコモディティ化の波についていっていないので、家電の二の舞を踏みそうだと、自説を展開していましたが、Nさんは、その波にいかに巧みに乗ることが勝機だと考えているようでした。
 いつものとおりパワフルだと、最近、日本経済や情勢に対して、一家言を加えることが増えたと思っていたら、最後にちょっと機になる事がありました。離れしていない女性の質問者が「今後の中国市場で事業を展開していくうえでのリスク」を質問したところ、Nさんが質問の意味が分からず、私が見てもとんちんかんな説明から、自説の開陳になってしまって、質問者は戸惑うばかりだった、という一幕がありました。Nさんが、その質問者を少しイジったりして会場は笑いに包まれたのですが。考えてみれば、説明会でのアナリストたちの質問は大同小異のマンネリでもあり、それに答えるNさんもパターンが固定してしまっているので、ひのパターンから外れた質問が理解不能になっている。そう見えました。しかも、質問の内容からみて、この会社はイケイケだけれど、守りとか受けに回ったら、コロリといってしまうのではないか、と心配になりました。というのも、今回の説明の景気悪化の認識での構造改革も、内容は進化しているといっても基本は過去のパターンのくり返しで、目新しいことはないとも言えるわけで。いまのところ、当分は、会社に勢いがあるから大丈夫なのでしょうが、危機感は当然、経営陣も持っているのでしょうが、それが硬直化しているのでないか、というと言いすぎですが、ちょっと思いました。

 

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