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2019年12月26日 (木)

齋藤芽生とフローラの神殿(13)~14.「獣道八十八号線」

Saitoroad  このシリーズでは、シンメトリーのパターンに戻ってきました。しかし、その枠は団地のような身近にリアルを感じさせるものではなく、その構図による安定感のなかで、前のコーナーのような挿絵のような風景を描いています。
 「絶海泡沫浴場」という作品です。B級怪奇マンガで使われそうな画面のアイディアだと思います。それに、わざとらしいタイトルをつけて、いわくありげにして、見る者に文学的なスパイスをふりかけて勝手にあれこれ想像させるような舞台装置を作ってみましたというように、提示されています。それをシンメトリーの構図をがっちりと作って、絵画作品であるといわんばかりに丁寧に描き込まれています。おそらく、そこに作者自身は皮肉を持っているとか、そういうのはないと思います。それを大真面目に描いているところが、この人の魅力ではないかと思います。一見、怪奇で耽美に見える画面ですが、そこの底流にあるはずの危険さとか不健康さが微塵もなくて、整然として、実は健康的であったりする。だから、見る者は安心して、想像を膨らませ、心配なく耽美に雰囲気を感じることができる。
Saitoroad2  「ソレ突ケ堂」という作品は、画面にはっきりと枠があります。「密愛村Ⅲ」のころのシンメトリーの作品の画面と比べてみると、作為をわざと見る者に感じさせるように、作者は自らの方法を意識して描いていると思えます。この作品の時点では、作者は確信犯的に、見る者と共犯するように想像力を膨らませることを狙って作品を描くという側面が強く感じられる作品になってきていると思います。

 

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