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2020年9月10日 (木)

佐藤義之「レヴィナス 「顔」と形而上学のはざまで」

11111_20200910214601  エマニュエル・レヴィナスという哲学者は、リトアニアに生まれたユダヤ人で、第二次世界大戦中にドイツの捕虜収容所に収容され、ほとんどすべての親族はドイツ軍によって虐殺されてしまった。レヴィナス自身は過酷な運命を生き延びたことは、他者に対する責任を追及した彼の倫理哲学に大きな影響を与えたとされ、レヴィナスは人は何のために生きるのかを徹底的に考え抜いた哲学者だといわれる。それゆえか、彼のことを紹介・解説する場合、往々にして、彼が極限的な状況を生き延びた体験を強調し、彼の思考は、そういう極限から生まれた特権的なものだと言わんばかりで、ややもすると、そういう極限を経験しないで、のほほんと平穏に過ごしたものには手の届かない特権的なありがたい教えだというように、宗教みたいにおしつけるものが多い。
 それに対して、この著作は、レヴィナスはハイデガーに学んだ現象学の徒であり、彼の有名な他者論は、記述不可能な「他」を記述して論じるようという試みだったと指摘する。著者は、現象から出発しているのだから、逆に事象に落とし込めるはずでしょと繰り返し指摘する。それで、私にも、切り口の端緒だけでも、そうだったのかと納得できた。しかし、だからといって、レヴィナスが、どのように考えたかを理解できたかというと、レヴィナスの記述は、ワープを繰り返して遠いところに行ってしまうようなので、現時点では、まだまだ手が届かないでいる。

 

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