西洋絵画、どこから見るか?─ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館vs国立西洋美術館(5)~おまけ 常設展
企画展のチケットと常設展も見ることができるので、時間もあったので見てきました。中で印象に残った作品をいくつか。
カルロ・ドルチの「悲しみの聖母」という1655年頃の作品。暗い背景に淡い光背に包まれて、深みのあるラピスラズリの青のマントを身にまとった聖母マリアの美しくも悲痛な表情は観者の心に深く訴えかけるものがあります。とにかく、深い青が目を惹きます。そして、うつむきかげんの聖母の憂いを含んだ横顔です。
フィリップ・ド・シャンパーニュの「マグダラのマリア」です。これも両手を合わせて祈る女性を横から描いたものです。企画展ではムリーリョなど数点のマグダラのマリアが展示されていましたが、この作品は横顔であるところが特徴的です。一心に祈りを唱えるかのように口を半ば開き、その敬虔なまなざしは天に向けられている。 魅惑的な存在感をあふれさせる聖女の姿が暗い画面の上に浮彫にされています。今日みてきた同じ題材の他の作品に比べて、上品というか、穏やかさのある作品で印象に残りました。
ヴィクトリア・デュブールの「花」です。企画展でも花を描いた作品が数点ありましたが、この作品は、それらに比べて突出したところがなく、普通に部屋に飾られている花を自然に描いたという印象です。いつまで見ていても疲れないというか、安心して穏やかに見ていることができます。描かれている花は、それぞれ美しいのは言うまでもありません。花瓶に生けられたさまざまな花が、繊細な色彩で描かれており、花に寄せる画家の深い愛情が感じられます。
最後に年代が飛んで20世紀の作品、アクセリ・ガッレン=カッレラ「ケイテレ湖」です。この人はフィンランドの国民的画家ということです。何よりも、凍結したようなほど静かで透明な湖面が印象的です。その湖面に直線的に斜めに波が起こっています。水平線と並行に山々と木々が茂る小島が並び、そこに波が生む斜線が入ってきます。このような波はフィンランドの湖では特定の気温のときに風が吹くとおこる気象現象なのだそうです。どこか神秘的な感じがします。
企画展し常設展を、それほどじっくり見た覚えはなかったのですが、結果的に4時間近くかかってしまいました。その間、少しだけ休憩しましたが、ほとんど立ち通しでした。昼前に美術館に着いて鑑賞を始めたので、昼食を摂っていませんでした。疲れました。腹も減りました。常設展は混んでいませんでした。美術館を出たら、午後になっていましたが、チケット売り場の行列はずっと長くなっていました。
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