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2025年4月24日 (木)

西洋絵画、どこから見るか?─ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館vs国立西洋美術館(2)~第1章 ルネサンス

Ⅰ.ゴシックからルネサンスへ
Musiummadonna  フラ・アンジェリコです。あの「受胎告知」の…日本では作品を見ることがありません。会場の説明では、聖人をそれぞれ数枚の両側のパネルに個別に描くのではなく、1枚のパネルにすべての人物を描いたまとまりのある空間を作り、Yosiokaanje 天蓋のアーチの上に、墓の中の死んだキリストの横に、福音記者聖ヨハネと悲嘆に暮れる聖母が並んでいるという空間の構成が、当時としては斬新だったと解説されていたと思います。でもそういうのは、当時の一般的なものと並べて比較してみないと分からないと思います。たとえ、並べてみても、現代人の目からは同じように古臭いと見えてしまうかもしれません。この作品では、空間(奥行)を描いているといわれても、「どこが?」と声を発して、平板にみえてしまう。親切に説明しているようでいて、中止半端な説明は、混乱を招くのではないかと思いました。それよりも、この作品を見ていて魅かれるのは、金箔を背景にして薄い青とピンク色の鮮やかさです。このような薄青とピンクは他の作品ではついぞ見られないものでした。その配置の見事さです。色と人物の配置から生じるコントラストが、見る者の視線を画像から画像へと連続的でスムーズに動くように導き、最終的に中央の聖母子像に到達させるようになっています。また、それぞれの人物の顔の陰影の深さは、同じコーナーで展示されている作品のパターン的な表現に比べて彫の深いものに見えます。となりに展示されているルカ・シニョレッリの「聖母戴冠」と比べて見ると、分かるかもしれません。こっちは平面的で、人物のMusiummadonna2 顔ものっぺりしています。
 ベルナルディーノ・ルイーニの「マグダラのマリアの回心」を見ていると、左側の人物が人差し指を伸ばして上を指している形が、レオナルド・ダ=ヴィンチの「聖ヨハネ」そっくりで、右側の女性の高い鼻梁や細長い目そして意味不明に口角を上げて微笑んでいるかのように見せるところがレオナルド・ダ=ヴィンチの描く女性そっくりであると気がつくのです。しかもスフマート。このスフマートだけで、このコーナーに展示している他の作品と区別できます。しかし、どこか間の抜けた感じがある。それは右側の女性に比べて左側の人物が人形のようだったり、中心がはっきりしないとかあるのでしょうが、これも、レオナルドの作品と並べて比べると分かるのではないかと思います。
 Musiummaria でも、個人的には、このような革新的なものより、当時の形式的なものも好きなんですが、それは、このあと常設展で堪能できました。
Ⅱ.ヴェネツィアの盛期ルネサンス
 ヴェネツィアの画家の特徴は、フィレンツェの画家に比べて色彩豊かで豪華絢爛ということだった思うのですが、ここで展示されていたのは、そういう感じはしませんでした。
 Musiummarrige パオロ・ヴェロネーゼの「聖カタリナの神秘の結婚」は、この展覧会でこの題材を扱った作品が、この後いくつもあるので、その最初です。他の作品と比べると描き方がそれぞれ違うので面白いです。この作品では、赤ん坊のイエスから右側の女性の聖カタリナが指輪を受け取ることで結婚が成立するという場面だそうです。それぞれの人物のポーズが演劇的というが大仰でわざとらしい。そのわりに、前のコーナーで見たルイーニの作品ほどには人物に表情がない。スフマートも見られない。その表情がない分を身体の仕草、つまりポーズで補っている。それを引き立たせるには、輪郭の明確な形態と衣服などが目を引くほうがいい。そこで鮮やかな色を用いる。人の肌の色も艶々していて肉感的で目を惹きます。表層的な表現とでもいいましょうか。内面は気にせず、外面として表われているものがすべてという発想でしょうか。リアリズムとは違う表現です。
 Musiumportrait ジョルジョーネの「男性の肖像」はリアリズムでした。この男性は演技をしている様子はなく、飾り気のない素面のように見えます。それをそのまま描いているように見えます。それもまた表層的です。
Ⅲ.北方ルネサンス
 フランクフルトの画家の「アレクサンドリアの聖カタリナの神秘の結婚」は、前のコーナーでヴェロネーゼの同じ題材の作品があったのと比Musiummarrige2 べると面白いです。こちらの方は演劇的なわざとらしいポーズはとっておらず、型にはまったような人物で、肉感的なところどころか生き生きとしたところはありません。しかし、描写は細かい。衣服の質感や刺繍。背景の木々の葉や両脇の天使の羽根の一枚一枚が精緻に描き込まれています。ファンアイクやデューラーなどを生んだ北方ルネサンスの特徴といえるかもしれません。ヨース・ファン・クレーフェ「三連祭壇画:キリスト磔刑」も細かく描き込まれています。人物の着ている衣服の織り目が分かってしまうほどの細密描写や背景となっている風景の建築物が緻密に描き込まれ木々の葉の一枚一枚が明確で描き分けられているので、類型的な人物はおいて細部の描写を堪能することができます。

Musiumthree

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