読売日本交響楽団 第657回定期演奏会
2026年4月28日(火)サントリー・ホール
サントリー・ホールでアイヴァー・ボルトン指揮読売日本交響楽団の演奏で、エルガー作曲のオラトリオ「ゲロンティアスの夢」を聴いてきました。
この曲、ユーチューブで見つけて以来、読書や事務作業のBGMによく利用しているのですが、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」に感じがよく似ていて、刺激的な金管楽器の咆哮がなくて、弦楽器と木管楽器の分厚い響きが主体で、そこにコーラス等の人声が加わって、淡々と進むというか、とはいっても退屈というのでもなく、ときおりそれなりに美しいメロディが聞こえてくるので、作業がはかどり、いつのまにか演奏が終わっているという曲です。そんな曲を実際に聴いてみてもいいのではないか。コンサートホールでオーケストラと合唱の響きに包まれるというのも甘美なのかもしれない。座席は2階席中央の前の方。響きは悪くない席です。
何度の聞いている曲のはずですが、楽曲の構成とかこの曲に特有のメロディとかは全く覚えていません。捉えどころのない曲か思っていましたが、そういう聞かせ方というか、聞き手に対して、そういうことをアピールしていないことがなんとなく分かりました。BGMではなくて、向き合って聴こうとすると、音楽がいっこうに進まないのです。同じところにいて、うじうじしているような感じ。進むことをせずに、立ち止まって、そこで色々なことを繰り返すような音楽ならわかります。この曲は立ちどまっているのではなく、実際、モチーフを繰り返すことはなく、いろいろな楽想がでてきます。しかし、音楽が進むという感じではなく、そこに留まっている、進めない。それゆえ、出てくるメロディの印象が残らない。第1部は途中で寝てしまいました。気持ちよく眠れたといえば、そうなのですが。音楽が気持ち良い時間空間を作ってくれたというより、音楽を掴もうとして、できないので疲れたというところでしょうか。途中休憩をはさんで第2部は、ステージ後方のディスプレイに表示される歌詞の翻訳も追いかけながら聞きましたが、歌詞を読んでいても、進行していないことが分かりました。そもそもの歌詞、おそらくオラトリオの台本が進むように書かれていない。人間が死んだらどうなるかを扱った宗教的な詩らしく、19世紀のイギリスで支持を得ていたらしい。ゲロンティアスという男が亡くなって魂となり、守護の天使に導かれて天上を旅し、神を垣間見た後に煉獄に至るという話だそうです。ドラマがないんです。エルガーは、その台本に音楽をつけたということなのでしょうね。それゆえ、オラトリオといっても、ヘンデルの作品のようにドラマティックにぐいぐいと聞き手をひきつけて、この後どう展開するのだろうかと、興味が前に前に向いていく、というところがないわけが分かりました。この曲は演奏会場で、演奏に向き合って聴くような音楽ではないということが、よく分かりました。なお、演奏そのものはよかったと思います。





























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