読売日本交響楽団 第692回名曲シリーズ演奏会
2026年5月26日(火)サントリー・ホール
サントリー・ホールでシルヴァン・カンブラン指揮読売日本交響楽団の演奏会を聴いてきました。プログラムは次の通り
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
ヴァイオリン イリア・グリンゴルツ
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op.88
会社を退職して、学生の身分となり、時間の余裕ができたので奮発して年間会員になりました。席は2階席の前から5番目の真ん中あたり。悪くない場所だと思ったのですが、意外と音が来ない。今日の演奏でも、オーケストラは音は出ていたようなのですが、席まで迫ってこない。ライブの迫力を感じたいと思うのですが、ちょっと物足りない。定期会員なので、1年間ずっとこの席です。オーケストラのコンディションもあるし、次回は違った感じになるかもしれないと、前向きにいきましょう。
最初のメンデルスゾーンは結構カラフルな演奏ですが。この曲はシンプルなフレーズを繰り返していくのですが、その繰り返しを各管楽器が持ち回りで受け渡すようにソロのように演奏しているところなど、各管楽器のそれぞれ音色のコントラストが鮮やかで、とてもカラフルに聴けました。しかし、この曲の全体としてほの暗い音色はあまり感じられず、明快で、ちょっと明るいかんじ。弦楽器によるさざ波のようなリズムが、波というよりは機械的なリズムのようで、ロマンチックな雰囲気のしない演奏でした。
コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は初めて聴きました。コルンゴルトはオーストリア人で年代的にロマン派の影響が強い人かと思っていたら、ヴァイオリンの曲なのに、思い入れのあるようなメロディが聞こえてくることはない。ロマンチックな感情移入という雰囲気はなくて、美しいのでしょうが、どこか突き放した感じの曲でした。ヴァイオリニストのグリンゴルツも思い入れたっぷりに歌い上げるというタイプではなく、淡々と美しい音色とサラッと弾くタイプの人だったのも、そう聞こえた要因かもしれません。第1楽章の真ん中あたりでカデンツォのパートがてできたりして面白い趣向もありましたが、全体の構成が凝っている感じですが、曲全体の盛り上がりとか、メロディに魅入られるといったところはなくて、趣味的というか、凝った趣向を、こんなことやっていると知的に楽しむような曲ではないかと思います。高級志向の、よくできたBGMという印象です。
最後のドヴォルザークの交響曲第8番で、この指揮者の傾向がよく分かりました。私の好みからいって、この指揮者はこういう曲は向いていないと思いました。この人は、すごく冷静で、細部に目を配って、均整のとれた美しい演奏をするような指揮者だと思います。まずテンポをきっちり守る。それが演奏全体のプロポーションをハッキリさせるところはあます。しかし、この曲はノリで大きく盛り上がる魅力があります。しかも、この指揮者のリズムはアクセントが弱く、平板にきこえるので、リズムのメリハリがなく、それがこの曲では、生き生きとした感じが失われるように感じられます。ダイナミックな、この曲が、止まっているように感じられるところがありました。でも細かいところでは、管楽器の音色が際立っていたり、聴きどころはあるのですが、とはいえ、管楽器もあまり歌っていないように感じられました。終楽章は、テンポが色々に変化して、ノリが変わっていって、その変化に聴衆が巻き込まれていくところがあると思うのですが、そういうところは単調に聞こえてしまい、聞いていて乗せられてしまう感じはしませんでした。オーケストラは、よく音は出ていたと思います。ただ、先週聴いたチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の鳴りを経験してしまうと、いまひとつ物足りない。
全体としては悪くない演奏だとは思うのですが。


















































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